英語の勉強と英語の諺(8)

情報通信ネットワークの大学院授業で使っている教科書に載っていた英文である。
“There is more to life than increasing its speed.”: Mahatma Gandhi
英文専門書の各章の最初に、このような一文が紹介されている例を多く目にする。高速ネットワーク技術の専門書に書いてあったこの文章を目にして、”ム・・この意味は?”と最初とまどった。
“There is more to life than increasing its speed.”は諺ではないが、ガンジーの有名な1フレーズなのであろう。ガンジーはインドの独立を英国から勝ち取った人物で、その手段が平和的な抵抗運動であったことから、有名になったと記憶している。
これからの時代はネットワークの高速化はもっと進むと大学で講義をしている身には、考えさせられる文章である。
辞書を引くと”There is more to life than”で「~だけが人生ではない」と例文が紹介されている。つまり「急ぐことだけが人生ではない」と訳せるし「スピードを速くすることだけが人生ではない」とも訳せる。
現代社会はあらゆる意味でせわしくなっている。時として、この一文を思い出して自分の生活を振り返って見たら、正常な自分を取り戻せるかも知れない。
“There is more to life than increasing its speed.”

英語の勉強と英語の諺(7)

外国を旅したり、外国に住むときは、この諺が必要となる。
“When in Rome, do as the Romans do.”
アメリカの空港で大のトイレに入ると、扉の下の方が広く開いている。外から見ると男性の足が並んでいる。私のような日本の密室形式のトイレに慣れた身には、落ち着かない。
フランスの男子トイレで小を使うと、小さな便器がかなり高い位置に設置されている。洗面器の大きさ程度の受け皿が、直ぐ近くに待ち構えている。不都合ではないが、違和感を覚える。
日本に来た外国人は大の和式トイレに違和感を覚える人と、好んで異文化を体験しようとする人が居るようである。
我が家に外国人が滞在するときは、最初にお風呂の入り方を丁寧に教える。風呂桶の中で石鹸を使われたら、お湯の入れ替えに時間がかかってしまうと心配する。今までのところ、トラブルは発生していない。
和室に外国人が泊まるときも、鍵が掛からない襖の扉の和室で安心して寝てもらえるかと心配する。幸い、何とかなっているようである。
“When in Rome, do as the Romans do.”は、もっと高尚な事柄を指しているのかも知れないが、異文化と接触するときに、トイレとお風呂と寝室に、文化の違いをもっとも感じる。

英語の勉強と英語の諺(6)

人は社会で生活し、色々なグループに所属する。どのグループに参加するかに迷うこともある。
“Birds of a feather flock together.”
「同じ羽毛の鳥は1箇所に集まる」
この諺を聞いた若かった頃は、暴走族をイメージした。集団でバイクで大音響をとどろかせる様子が、神社の大木に夜になると群がって、ピーピー大声で騒いでいる小鳥のイメージに似ていたからである。
その後、この諺のイメージはさまざまに広がった。サラリーマンになると上司にゴマをする集団が発生する。複数の上司が縄張り争いをしているので、どちらの上司のグループに参加したらよいのか迷う。
既にサラリーマンを終えてしまった私であるが、ゴルフと魚釣りが好きな上司は出世した。ゴルフだけの上司はそこそこ出世した。カラオケの好きな上司は出世しなかった。
どの上司のグループに参加するかは保険のようなものである。全てに参加すれば、お金が掛かる。一部に参加すると、その上司が昇進しなかったときは冷や飯食いになる危険が伴う。
ゴルフに参加してもいつもスコアが悪く、魚釣りでは船酔いで散々、カラオケは夜遅くまでタバコの煙りで燻製になったような気分で積極的には参加しなかった。
という訳で、自分の周りに存在するグループに誘われたら、この諺を思い出すことだろう。
”Birds of a feather flock together.”
自分の羽の色と相性が良いかどうか、迷うのが人生である。

英語の勉強と英語の諺(5)

この諺は覚えていて一番役に立った。
”Heaven helps those who help themselves”
高校、大学時代の英語の試験にこの諺が出てきた。またある先生から、「最初のhelpにはsがついているが、二つ目のhelpにはsがついていない理由を知っているよね」と言われたことを記憶している。私の人生で英語の試験にもっとも効果のあった諺である。
直訳は「天は自ら助くる者を助く」と教わったが、変な日本語だなという印象だった。別の訳は「努力は必ず報われる」ということだ。無駄な努力をしているように思ったとき、努力の成果が何時になったら現れるのかさっぱり見当がつかないとき、呪文のように唱えていた。64歳の今、確かにこの呪文は役に立った。
”天が助けてくれる”という言葉は、実は「周囲の人が助けてくれる」と同義語である。自分の努力は、社会のさまざまな仕組みのなかで、さざ波のように周囲に伝わり、時間をかけて自分に戻ってくる。
他人が要領よく振る舞い得している様子を見ると、自分は実直すぎて損をしているのではないか、と感じることがある。それでも、自分のとりえは、愚鈍に少しずつ努力することだと時間をかけて積み上げる。そのような人にもっとも相応しい諺である。
英語の勉強についても同様であった。大学卒業まで英語が苦手な科目だった。大学を卒業すると、英語が得意な人は喜んで勉強を続ける。苦手意識を持った人は英語の勉強をしなくなる。学生時代に英語が苦手であっても、社会人になってから小さな努力を積み重ねていると、何時の間にか、その成果が積み重なっている。
NOVAに授業料を払うより、無料でこの諺を思い出すほうが、ずっと効果絶大だ。
”Heaven helps those who help themselves”

英語の勉強と英語の諺(4)

“A rolling stone gathers no moss.”
この諺も中学校の英語教育で暗記させられた。そのまま翻訳すると「転がる石には苔がむさない」と訳せる。「君が代」の歌詞に、「苔がむすまで・・」の一節があるが、英語でも同じような意味で「苔」を扱うのが面白い。
辞書の翻訳では「転石苔むさず」とあり、仕事をしばしば変える人は成功しないという意味である。
40年前に会社に入社した。入社同期の一人がじきに退職して転職したときは驚いた。
30年ほど前に、やり手の上司が突然転職した。部下だった私は、「きっと偉くなってくださいね」とはなむけの言葉を送った。転職した上司は、その後会社をいくつか転々とし、文字通り”A rolling stone gathers no moss.”となった。
25年前に自分の人事が不当であると感じたとき転職を考えた。自然と”A rolling stone gathers no moss.”の諺が頭に浮かんだ。1年間退職を思いとどまって、結局転職はしなかった。
20年ほど前、会社の知人が一人自らの意思で退職した。上司は転職を思いとどまるようにアドバイスしたが彼は辞めた。1年後に再開したとき、転職先の仕事に不満を持っていることを知った。諺が正しかった。
10年数年まえ、会社から肩たたきと、就職先の紹介があった。この時斡旋された就職先を断った。首を切られるかと思ったが、何とか数年間つながった。
9年前、55歳で会社のルールに従い自動的に退職して子会社に就職した。そこで1年間窓際族を務め、何とか自ら転職先を見つけることができた。この時は、本当に助かったと天に感謝した。
“A rolling stone gathers no moss.”は、人生の数ある転機で、繰り返して口に出す価値がある諺だった。

英語の勉強と英語の諺(3)

”Speech is silver, silence is golden.”
「雄弁は銀、沈黙は金。」
外国語を習うとき、この諺を思い出しては損をする、。なるべく思いついたことを言葉にして話すことが金で、沈黙では会話能力を向上させられない。
一方仕事の世界では、この諺が教えていることを大切にしたい。相手の話をしっかり聞く態度は、仕事を的確にすすめ、無駄な議論で時間を費やさないために心がけなければならない。
周囲を和やかにするために、ジョークを話す習慣を英国人は大切にしている。我々外国人が英語のジョークを理解できるようになるのは時間がかかる。しかし、会話の途中に軽いジョークを織り交ぜることは、心がけ次第で英語の初心者でもできる。
フランス人はこの諺とは正反対に「雄弁が金」の教育を受けているように思う。フランス社会では一人一人の発言を尊重し、個人はその意見をはっきりと述べる。時として主張が強すぎこちらが辟易するが、フランス人の間ではそれが当然と受け取っているように感じる。
教育の世界に携わっていると、若者には個性があるものの、全体として同じような成長過程をたどって大人になっていくことが良く分かる。60歳を過ぎた自分が昔考えたことを今の若者の行動に当てはめると、思考の成長過程は同じである。
年配者にとって、若者と議論するとき、”Speech is silver, silence is golden.”が当てはまるかどうか、いつも考えている。
若者が知らないがゆえに、つまらない社会的トラブルで損をしないように、「物事の判断基準を的確に教える」ことは教育者にとって必須だ。一方考える能力を育てるために「あえて沈黙を維持し、若者が自分で考え出すのを待つ」ことも大切だ。
”Speech is silver, silence is golden.”
考えたことを口に出すとき、この諺は、自分の話し方について「作戦を考える」余裕を与えてくれる。

英語の勉強と英語の諺(2)

そういえば、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という英語の諺があった。ところが、英文を思い出せない。ネットで調べると、単語”Heaven”にその諺が紹介されていた。
Heaven doesn’t make a man better than others, nor does it make a man worse than others.
この諺を教えてくれた中学校時代の英語の先生には申し訳ないが、すっかり英文を忘れていた。日本語の訳は福沢諭吉の文章だと聞いたと思うが、日本語訳が頭に残っている。
この諺が言っていることは、人は皆平等である、ということだ。学生時代には、成績上位の学生にコンプレックスを持った。会社時代には出世する同期にコンプレックスを持った。自分が劣等感を感じたとき「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」の諺は、劣等感を持つ必要は無いと教えてくれるような気がした。「君には君の良さがある。自分のペースで努力すればいずれ報われる」・・・と慰めてくれた。
自分が優越感を感じたとき、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」の諺は、自分を戒める言葉として頭から沸いてきた。「君が感じている優越感なんて小さい小さい。君は沢山の人に支えられてきたからこそ今の自分がある、ということを忘れたのかい?」
あるお話を思い出す。
先生が生徒に皇居の石垣を指差して言った。あの石垣はいろいろな形状の石で組み上げられているから頑丈なのだよ。人の社会も、色々な個性の人々が協力し合うことで良い社会になる。個性の違う人も大切にしようね。・・・このようなお話だった。
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」・・・自分が劣等感を感じたとき、自分が傲慢になりそうになったとき、大切な諺だ。

英語の勉強と英語の諺(1)

既に50年以上前の英語教育の話である。中学校に入ったら、英語の授業が始まった。英語の先生は、我々中学生に英語の諺を覚えさせた。いくつもの諺を授業で紹介して、それを暗記するように生徒に求めた。
先生のお名前はうる覚えであるが、鶴田先生あるいは鶴岡先生だったかも知れない。授業開始後すぐに生徒を指名して、前回の授業で暗記させた諺を暗唱させた。
”Where there is a will, there is a way.”
この諺は、willで辞書を引くと「意思のあるところに道あり」と説明がある。英語を勉強すると冠詞が気になる。”will”につく冠詞は”a”なのか”the”なのか、それとも冠詞は不要なのか、などと考えてしまうが、この諺を思い出すと何の抵抗もなく、”a will”と口から出てくる。
中学生のときは、ただ先生に指名されるのが怖くて暗記した。だがその後50年以上の人生で、何回と無くこの諺が口からこぼれた。
”Where there is a will, there is a way.”
「どうしよう」と迷ったとき、「大変そうだから止めようか」と考えたとき、この諺が自然と口から出た。
「いいか・・・今こそ頑張るのだ。君の道は君が切り開くのだ・・・。」
中学校で、英語の先生が教えてくれた英語の諺が、私の人生で「頑張る時」を教えてくれた。
私の頭の中に暗記した英語の諺は、私の魂の一部になったかのかも知れない。良い先生にめぐり合った。

小沢代表の考えていること

 民主党の小沢代表が辞意を表明し、民主党の執行部が辞意撤回を求めている、と報道されている。政局は常に大きく変化する可能性があるので、今後の展開は予断を許さない。ただ小沢代表が何を考えているかについて、新聞報道やTVニュースから以下のように推測する。
 小沢代表は米軍が国連の決議に従わずにイラク戦争を開始したのだから、その米軍を日本が支援するのは反対である、と非常に分かりやすい主張をしてきた。自民党は燃料補給活動は国際貢献であるとテロとの戦いに日本が国際的な役割を果たすべきだと説明している。しかし、米国だけがその恩恵を受けていると国民が考えると小沢代表の主張に対抗できないので、米国以外も多数の国が燃料補給活動を望んでいることを色々な手段でアピールした。
 小沢代表は米国の要人とも会談しているので、テロとの戦いに日本が燃料補給活動で協力することは、その前提条件が整理されればOKと考えていよう。前提条件は、国民が分かりやすい国際貢献の判断基準を示すことである。
 日本は民主主義の国家であるから、民主党も多数の国会議員が色々な考えを持っている。小沢代表の「日本がイラクで戦っている米軍を支援するのは反対である」という分かりやすいメッセージで今まで民主党は結束していたが、今度は分かりやすいメッセージが民主党を拘束してしまった。つまり政治の手段で現状を打開しようとしても自縛状態である。
 小沢代表自身は現状のままで良いとは考えていない。単に「反対」を主張するだけの政党が政権をとることができないことは百も承知である。小沢代表が強いリーダシップで自民党との交渉に臨めば、例え密室政治と批判されても、現状の一歩も進めない「ねじれ国会」から脱却できる可能性がある。そこで福田首相との会談が行われた。
 民主党の自縛状態は、「大連立」構想を持ち帰って、小沢代表が民主党幹部と相談したときに見事に露呈した。「国民に説明できない」と執行部全員が反対した。
 この時点での判断は、民主党の内部で二つに分かれた。大多数を占める「国民に説明できない」と判断したグループは、民主党の政権が目の前に見えているのに、「大連立」で国民が民主党から離れるという判断である。より実務的に考える小沢代表の判断は、「国民が求めているのは国際貢献のルール」であると考え、「ねじれ国会」のこう着状態をそのまま放置することの方が、民主党が国民から見放される、というものである。
 小沢代表が代表に復帰する条件は、「ねじれ国会」の膠着状態打開のための、民主党員全員からの全権一任であろう。先の参議院選挙で民主党を大政党にしたのは小沢代表である。その民主党が政権政党になれるかどうか、今回は小沢代表に全権を一任し、民主党全体がまとまって「賭け」にでたらどうであろうか。