2008/2/29 金曜日

上司の仕事:こじれた案件の幕引き

Filed under: 若者に話したい仕事の経験 — mizusawa @ 23:07:31

社会には争いごとは沢山ある。部長と部長が仲が悪いとか、会社と会社がシェア争いをしているとか、国家間でも「冷凍餃子の毒」についての犯人探しとか、枚挙に暇がない。
一般に事件が起これば争いとなり、争いは誰でも簡単に始めることができる。一方難しいのは一度始まった争いを終結させることである。
冷凍餃子事件では毎日の報道で詳細に色々なことが報じられている。我々日本人だけでなく中国でも韓国でも、おそらく中国で開催されるオリンピックに参加する国々でも強い関心を抱いているのではなかろうか。広く興味をもたれているだけに、冷凍餃子事件を終結させることは難しい。しかし、その任務は誰かが負わねばならない。
自分の勤めている会社で事件が発生したとき、その事件の責任者が明確であれば、その人物を左遷なり辞任なりさせれば、一応決着する。しかし、事件の責任を特定することが難しい、あるいは特定することが将来を考えると得策でない、という事例も多い。その時「幕引き」のできる人物は出世できる。特に会社にとって命運を分けるような事件で「幕引き」を実行できたら、会社にとっての恩人である。私の知っている例では、会社が倒産の危機に立ったとき、組合と交渉して熾烈な議論を戦わし、首切りを実行できた人はその後社長になった。
本日2月29日の読売新聞朝刊一面に、「ギョーザ捜査、日中対立」とある。中国側の警察が毒の混入を否定し、日本の警察と真っ向から対立する構図となった。警察庁長官が中国側に対して猛反論したそうである。
私は「幕引き」のタイミングになったと感じた。理由は次のとおりである。
・日本人は、同時に多くの中国人も、ギョウザに毒が入っていた事実は十分に知れ渡った。今後は当然自己防衛する。
・どのような経緯で毒が入ったかは原因が明らかにされることが望ましいが、原因が明らかになると当然誰かがその責務を負わなければならない。当事者は傷つくし、この問題は国家間の事件なので、深追いはしないほうが良い結果を生む。
私が「幕引き」タイミングになったと感じたのは、中国警察の発表内容からである。余副局長が「実験の結果、メタミドホスは袋の外側から内側に浸透する」という見方を示した。この発言を私流に説明すると、東洋的にその背景を考えて判断すれば「幕引き」を要求しているのであり、西洋的に論理の筋道で解釈すれば「決着のつかない戦いを宣言」したと取れる。どちらを選ぶかは、日本にボールが投げられたという印象だ。
我々は日本の警察が調べた結果を信用している。中国政府にはオリンピックを控えたそれなりの重要事項があり、日本が手負いの相手を追い討ちするのは決して得策ではない。中国は隣人であり、日本は過去に中国民に迷惑をかけている。政府の賢明な「幕引き」を期待したい。

2008/2/28 木曜日

池上梅園公園

Filed under: 熟年旅行 — mizusawa @ 19:23:28

東京エリアに住みながら長年サラリーマンをしていたせいで、東京の観光地を訪れた経験が少ない。外国旅行も考えたがまだ季節も寒いし手ごろな近場として日蓮宗大本山池上本門寺に散歩に出かけた。
池上本門寺へは京浜東北線の蒲田で池上線に乗り換え、池上で下車し、ゆっくり北に歩いて20分ほどで到着した。山門手前の階段は急で、段数が多かった。石段は凸凹で、いろいろな石材を取り混ぜて修理をした跡があり歴史を感じた。
寺はきれいで、とりわけ庭の手入れがすばらしい。お堂も立派でリッチなお寺であることが一目瞭然だ。日蓮さんが見たら、その豪華さにあきれるのではなかろうか。重要文化財の五重塔も周囲を一回りして見学した。
梅園を探しながら散歩したら、朗峰会館が目に入った。会館ロビーから松涛園を一望できる。松涛園に入ろうとしたら立入禁止と掲示があり、断念した。本門寺のアンケートに回答したら松涛園を見学できるという案内が掲示されていたが、回答できたのは2つだけだったので、結局名園を散歩することはあきらめた。
代わりに池上梅園公園を目指して歩いた。大田区が管理している。多くの人が白とピンクの梅の花を楽しんでいた。梅の花は大田区の花で、370本の梅ノ木が植えられているという。公園の一番奥で甘酒を販売していた。散歩のせいか、大変おいしく感じた。
池上梅園公園2007.2.29快晴
帰りは梅園に近い西馬込の駅まで歩いた。国道一号線に沿って歩くので、風情のない散歩となった。

2008/2/27 水曜日

上司の仕事:会社の為なら社会正義は無視する

Filed under: 若者に話したい仕事の経験 — mizusawa @ 6:09:02

大会社の幹部は、会社が大切である。会社が大切と思うばかりに、現在の日本社会を支えている社会正義に基づいた判断が時としてできなくなる。
昨日のニュースは正にその代表例である。
プリンスホテルが日教組の集会を拒否し、裁判所の裁定にも従わず、その理由をプリンスホテルの持株会社幹部が説明した。
プリンスホテルの言い分は終始、「街宣活動によって、近隣の人々に迷惑をかけるから」というものであった。
私の印象は次のようなものであった。
「プリンスホテル幹部は右翼に脅かされたに違いない。」
右翼の街宣活動がしつこく行われる例は40年以上の人生でいくつも目にした。以前勤めた会社の隣には大銀行があり、毎週のように右翼が大声で怒鳴っていた。
知り合いの警察幹部が、「右翼の街宣活動を有効に取り締まることができなくて、歯がゆい思いをしている」と話してくれたのを覚えている。
街宣活動のような嫌がらせに対しては、「警察に相談して対応し、決して圧力に屈しないこと」が社会正義を守る常識である。それを、大会社が会社の一時的な利益を優先して、社会正義を無視した。「警察や裁判所が守ってくれるはずが無い」と暗に公言している。
プリンスホテルを含む西武グループは、社会正義よりも一時的な利益を優先する会社だったのか。あるいは右翼そのものなのか。今後の発言を注視したい。

2008/2/26 火曜日

上司の仕事:部下の規律を守る

Filed under: 若者に話したい仕事の経験 — mizusawa @ 11:02:54

大規模な組織では、上司は部下の規律を保つ任務がある。部下が不祥事を起こせば、責任を取らされて、左遷されたり辞職に追い込まれたりする。
私が以前勤めていた会社では、部下が飲酒運転で事故を起こし、上司が左遷された話を聞いた。
部下が数名の場合から、米軍のように数千人、数万人になる場合までさまざまである。組織の規模が異なっても、上司には部下の規律を維持する責務がある。
沖縄駐留の米軍が立て続けに不祥事を起こした。米国大使が現地で謝罪しても、更に不祥事が発生したから、米軍の上層部と一般兵との意識の差は歴然としている。
上司が部下の規律を保つためにどのような工夫がなされているか。会社ではさまざまな施策を講じる。
新入社員に対しての教育は、新人は真剣に話を聞くので重要である。それでも時間が経過すると、人は徐々に規律に対しておうように構えるようになる。時間経過とともに、いい加減に考えるようになるのは人の常なので、その対策が欠かせない。
企業では朝礼があり、会社の基本理念を毎朝同じように復唱する。無駄なことに見えるが規律維持には大切である。交通機関では車掌が声をだして、確認作業をしている。指差し確認(?)と言ったかと思う。声に出して言うことで、おろそかになりやすい、安全確認に間違いが無いようにする。
米国映画の裁判の場面では宣誓をする。嘘をつきませんという宣誓は、当然その後の本人の発言に影響する。
沖縄米軍は外出禁止令をひいているそうだ。今朝のニュースでは3月3日までは継続するといっている。外出禁止令を解除したら元のように、いずれ同様の不祥事が発生すると予想するのが当然である。同じことを繰り返さない対策として、米軍の一般兵に事件を頻繁に思い出させるルールの導入が不可欠である。
・週に一回は外出自粛日を設ける。外出自粛日は日本文化について隊員がグループでディスカッションする。
・外出するときは必ず、不祥事を起こさないという宣誓書を読み、サインする。
上司は部下の規律を維持する重大な任務がある。特に自衛隊、米軍など軍隊は、厳しい規律を守ることが、「国民に信頼される組織」としての大前提だ。

2008/2/25 月曜日

街がきれいな日本

Filed under: 若者に話したい仕事の経験 — mizusawa @ 10:06:52

我々が日常ごく当たり前だと感じていることで、外国人には「すばらしい」とほめられることがある。
私と同年代の既に退職したフランス人のご夫妻のお話である。長男が4人の子供と東京に住んでいる。次男は3人の子供とニューヨークに住んでいる。夕食会に招かれて、雑談したときの話である。
ご夫妻は、以前日本に長期に滞在し、日本で仕事をした経験を持つ大の日本好きである。先日は3年ぶりに日本に戻り、子供の家に1月滞在し、日本各地を観光して楽しんだ。
「日本の地下鉄はとてもきれいだ」ご主人が話した。「パリの地下鉄は汚れている。ニューヨークの地下鉄はもっと汚い」 
ご主人はその理由として、「パリの地下鉄では制服姿の駅員をほとんど見かけない」と話した。「それに対して日本では地下鉄で多くの駅員を見かける」 
パリの地下鉄に駅員が少ない理由は、人件費削減が目的らしい。「その一方で」と続ける、「フランス政府は失業者に対して生活費を支給している。仕事をしない人に生活費を支給するよりは、パリの地下鉄に駅員を増やして、駅をきれいにする作業をしてもらうほうが余程賢明だ」 
そう言えば思い出した。台湾を旅行していたとき、観光案内をしてくれた年配の女性も「日本が好きだ」と言った。理由を尋ねると「日本の街はきれい」と返事をもらった。
新宿の駅前で早朝に清掃活動をしている日本人学生をテレビで紹介していたのは半年ほど前だった。場所によっては日本の街で汚いところもあるが、おおむね「日本の街はきれい」と外国人が好印象をもっている。
街をきれいにしているのは、地域住民と地域行政の成果である。外国人に「日本の街はきれい」と褒められると、まんざらでもない。

2008/2/24 日曜日

好かれる元気

Filed under: 若者に話したい仕事の経験 — mizusawa @ 15:06:03

大学3年生はリクルート活動真っ盛りである。昨日我研究室卒業のOB2名が訪ねてきた。車の最大手企業から派遣され、リクルータとして久しぶりにキャンパスに現れた。現役大学3年生に企業紹介するためである。
二人は私の顔を見るなり、「先生その節はお世話になりました」と挨拶した。挨拶を受けたときは、研究室で卒論を書いたので、一般的な挨拶だと思ったが、しばらくして思い出した。
この二人を研究室で面倒見ていたとき、騒動が発生した。
ある朝学校に来て見ると、研究室の周囲の雰囲気がいつもと違う。学生が前日6名程度研究室に残っていたようである。それだけではない。研究室外の廊下を、学校の警備員や事務員が頻繁に通る。何が起きたのだろうかと学生に聞いた。
前日の深夜から当日の早朝にかけて、お酒を過度に飲んで、その結果、嘔吐、トイレの破損などトラブルを引き起こした。キャンパス内では「飲酒厳禁」というルールになっているので、学生たちは1週間の停学となった。私も教授会で陳謝した。
既に3年以上前のことなので、この騒動をすっかり忘れていた。それより、二人がリクルータとしてキャンパスに戻ってきたことがうれしかった。卒業生がキャンパスに現れる確率は消費税の5%より低い。学生時代に元気の度が過ぎて、キャンパス内の騒動になった二人だが、リクルータとして選抜されたのだから、企業では根っからの元気さが好印象を与えているのであろう。
最近若者の凶悪犯罪が報道されることで、若者に対する風当たりが強くなっている。成人として社会的責任を求める年代を20歳から18歳に引き下げる議論も行われているようだ。私が中学校で学んだ社会ルールでは、若者が失策を犯しても、社会は若者の更生をうながす仕組みになっている、と聞いた。
最近は大人しい元気のない若者が増えているような気がする。少しぐらい度が過ぎても、社会が必要としているのは「元気」があふれている人材だろう。「元気の良い若者」を大切にする社会ルールを希望する。

2008/2/12 火曜日

大正生まれの心配事

Filed under: 若者に話したい仕事の経験 — mizusawa @ 19:09:52

父は92歳である。先日軽い脳梗塞で入院したが、現代医学の効果で回復した。足はおぼつかないものの、元気である。その父と病院で四方山話をした。
私は第二次世界大戦中の昭和生まれである。父は大正生まれである。大学受験について話をしているとき、父は昔を思い出して言った。父は大学に行けない貧しい家庭に育った。
「そうそう終戦の頃、新宿駅で花束を売ったことを思い出した。」
「他に仕事が無くて、兄弟が多かったから、花を仕入れて新宿駅で売ったんだよ。それで家族を養おうとしたんだ。」
「腹ペコになることほど、つらいことは無いとその時思ったんだ。そんなこと現代の若者は知らんだろうね。」
父のおかげで、私は駅前で花束を売る経験はしなかった。大学も卒業させてもらった。父に現在の大学進学率は50%だと話した。それに少子化で学生の数が減り、どこでも良ければ誰でも大学に入れる時代になったと説明した。
父の時代に比べれば、私の時代は恵まれていた。私の子供の時代は更に恵まれている。父は恵まれている孫、ひ孫の将来について心配している。
私の子供の仕事について質問してきた。
「30代で仕事に熱中している時代は、当人は大変だけれど後で思い出せば、大変貴重な時間だったと感じるよ。」
「ただ、仕事が大変なだけに、抜け出せない穴に落ち込んでしまう危険性が伴うからね。」と父が話した。
「当人が自分をしっかりコントロールするしかないね」と返事した。
92歳の父に「そろそろ次の世代を信じて心配するのをやめたらどうですか」と言った。いくつになっても、人は将来を心配するものらしい。

2008/2/11 月曜日

英語の勉強と英語の諺(17)

Filed under: 英会話の勉強 — mizusawa @ 12:08:53

2月に入り大学入学試験の試験監督の順番が回ってきた。雪がちらつく寒い日の翌日であったが、交通機関も特段のトラブルも無く、私の受け持ち35人の入学試験は無事終了した。
45年前に私自身が入学試験を2度受けた。浪人したので2回経験した。入学試験を受けたとき、受験生として必死であった。浪人中は当時の予備校で伝えられていたジンクスを信じて1年間そのとおりにした。ジンクスは、予備校の開門前に列をなして扉が開くのを待ち、教室では前から5番目までの席を確保することであった。それで希望の大学に合格できるというジンクスであった。
お茶の水駅周辺の坂を歩いているとき、坂本九の「上を向いて歩こう」をハミングしていたことを覚えている。予備校から帰宅する電車の中で英単語帳を広げて勉強していたら、見知らぬ人が声をかけてきて、「熱心に勉強しているね」と言ったことも覚えている。予備校では英語の教師が、黒板一杯を使って、独特の言いまわしで英語文法のルールを説明していた。数学の先生は、姿はさえない人だったが、説明は分かりやすかった。予備校のベランダからは目の前に産婦人科の病院があったと思う。ベランダは休憩時間に学生があふれていた。
一浪も終わりの頃、入試が目の前に迫っていた。予備校の友達数人との会話を思い出す。連中は皆私より優秀に見えた。入試期間に入れば皆合格した別々の学校に通うことになろう。そんな予想で笑いながら「さようなら」を言った。
その時の友達の一人は、進学した大学の同じ学科で同級生となり、会社も同じところに勤めた。その友人は、最終的には有名大学の教授になり、最近退官した。
昨日の入試監督で、教室の一番前に座り、受験生の様子を見ていた。目の前に座っていた学生は、整理されたノートを広げ勉強していた。数学の回答用紙には整然と答えを書いていた。良く勉強しているなという印象であった。受験勉強時代に学んだ諺を思い出した。
“Life is short and time is swift.”
「人生は短く、時は走り去る。」
学生時代に、この諺が教えてくれたことは、「若い時代の時間を大切にして勉強に励め」ということであった。若いときに時間を無駄に過ごすなという意味であった。同時にその努力は報われる、と期待していた。
“Life is short and time is swift.”は人生の実感である。
大学受験で勉強に励んでいる学生諸君に「頑張れ」と伝えたい。そして勉強の努力は「必ず報われる」ことを若者に信じて欲しい。

2008/2/5 火曜日

良い会社の判断基準:アクセンチュアの採用事例

Filed under: 若者に話したい仕事の経験 — mizusawa @ 21:38:36

私には耳慣れない名前の会社「accenture」と書いてアクセンチュアと読むらしい。研究室の学生の口からは、人気企業だという。東大など有名大学の学生も就職を希望する会社だそうだ。
WEBサイトを見るとタイガーウッズがゴルフコースで考えている写真に「情報分析力60%、情報収集力40%」と書いている。2007年の早い時期にこのアクセンチュアから内定をもらった学生の話を聞いてビックリした。
就職の内定をアクセンチュアからもらった当の学生に対し、最近になって就職を7月まで待つように通知があったと言うのだ。昨年内定を出したら4月採用になるのが当然と考えていた私にはビックリする話である。
7月まで待つように学生に指示があった理由として、入社後の社員教育を行う会社のスペースが不足しているから、という説明だそうだ。他の大学でも、同様に自宅待機の例があり、待機している期間は給料が出ないという。
世の中は偽装問題などおかしなことばかりだが、アクセンチュアが新人社員を募集するこの手口はあきらかにおかしい。学生を社会に送り出す大学教員の立場で考えて、「あくどい手口」だと判断する。
私は次のように推測する。アクセンチュアは人気企業の立場を利用して、必要以上の学生に内定を出し、実際には内定取り消しに近い通知を、この時期(2008年1月末)に出している。アクセンチュアから内定をもらって喜んでいた学生は、一転して不安な立場におかれる。アクセンチュアは、人材不足の今の時代に「新人採用できわどい、あるいはあくどい作戦」を取っている。
アクセンチュアのWEBサイト情報から、米国系の外資のようだ。私の人生経験では、外資系の際立った特徴は日本企業ほど社員を大切に扱わないことである。その一例を「上司の仕事:部下の首を切ること」に以前書いた。
アクセンチュアに就職を希望する学生は、WEBサイトのタイガーウッズ「情報分析力60%、情報収集力40%」のアドバイスを100%参考にして、アクセンチュアがどのような会社であるか十分に情報収集し、情報分析し、この危険な会社に就職する「人生の賭け」に出るかどうか冷静な判断が求められる。

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