生活が厳しくなる時

諸物価高騰の大波が日常生活でもはっきり見えるようになった。
テレビのニュースでも紹介していたが、本当にどこのお店に行ってもバターを買うことができない。我が家でケーキを作るのにお隣さんからバターをもらうことになってしまった。
農林大臣が次々に入れ替わったのはつい先日のことである。大臣が何回も入れ替わってまともな仕事ができない。それだけではない。前総裁まで仕事を放棄した。そのような自民党が国政を担っているから、バターもお店から消えてしまう。食料が店から消えてしまうような事態は、30数年前のエネルギー危機以来だ。
自民党はガソリンの暫定税率を復活させると明言している。5月に入ると国民は一挙に物価高の洗礼を受ける。日本国民はおとなしい。それを見越して自民党は行動している。国民はこれからもただひたすら耐えることを要求されている。
これからの自民党政権が招く最悪な事態を予想して、ことわざを一つ。
”While there’s life, there’s hope.”

上司の仕事:タイミングを計る

民主主義の世界では、世論は変化する。ある時は右翼側の意見が強くなり、また時間が経過すると左翼側の意見が強くなり、という具合だ。
北京オリンピックの聖火リレーでは、「チベットに自由を」と主張するグループの意見が大きくジャーナリズムに取り上げられ、フランスのサルコジ大統領は北京オリンピック開会式に出席しないと明言していた。ところが中国でフランスの大手スーパー、カレフーの不買運動が大きく報道されるようになると、サルコジ大統領が中国の立場に歩み寄る発言をしているそうだ。本来フランス人の性格は自由を国是とするが、中国市場に取り残されるかも知れないというフランス産業界の圧力が、サルコジ大統領さえも動かしているように感じる。
会社においても、上司が周囲の反対を押し切って決断するには、この時間の流れにともなう環境変化を敏感に感じる必要がある。ある時点で周囲の反対を知りながら無理やり自分の主張を押し通すよりは、少し時間をおいて環境の変化を待ち、それから決断することが結局は物事を穏便に収束させる場合がある。
本日のテレビニュースでは、30日にガソリン暫定税率について衆議院で再可決する動きにあるという。このような報道が流れることは、福田総裁の政治決断タイミングを判断する能力を知る上で大変興味深い。
5月のゴールデンウイークは多くの家族が旅行を計画している。車で外出する家族も多いことであろう。ゴールデンウイークの真ん中でガソリン価格を上げる再可決を衆議院で実行する、これはすぐれた決断と言えるのだろうか。ゴールデンウイークの真ん中で、ガソリン価格を気にしながら家族サービスをし、場合によるとガソリンスタンドで長蛇の列を作ることになる。
新聞報道によると、国民の半数近くがガソリン暫定税率を継続することはやむを得ないとアンケートに回答しているという。私自身はそのようなアンケート結果が出ることがおかしいと感じている。例えアンケート結果が事実だとして、ガソリン価格が120円台から150円台に上昇して不愉快に思わない人が半分に達するとは考えられない。
暫定税率を消費税に置き換えると、消費税が120円の4分の1、つまりガソリンについては消費税25%ということだ。暫定税率の延長、つまり暫定が永遠とも言えるような言葉の使い方を継続するより、この際ガソリン消費税25%と明言したほうが、国民ははっきり覚悟するのではないだろうか。
ゴールデンウイークど真ん中での暫定税率再可決が実際に実行されるとき、国民が政権交代を希望するかどうか、今後の世論の動向に注目したい。

上司の仕事:予算獲得と物乞い

ガソリンの暫定税率の復活を求めて、先週も市町村長数千人の集まりがあったと報道された。類似の報道に橋下大阪府知事の予算案削減提案に対して、知事をいじめる発言をする多数の市町村長がテレビ画面に映っていた。このようなニュースがもっと沢山報道されるべきだと私は考える。
国民の生活を圧迫するガソリン税の値上げを声高に発言する市町村長の顔をもっと知ってもらう必要がある。橋下知事をいじめる地方公共団体の長の顔をもっと国民に紹介すべきである。税金を納める立場の国民を顧みず、「予算を取ってくる」のが自分の仕事だと考えている長がなんと多いことか。
地方財政に悪い影響があると発言しているようだが、地方財政をなんとかやりくりして健全財政にしようとする橋下知事の提案を頭ごなしにしかりつける。自分たちがまったく歳出削減の努力をせずに、ただどなりつけることで予算獲得の仕事をしていると考える「アホ」としか言えない市町村長が如何に多いことか。
彼らは一様に年配の市町村長で、地元に根を張り、新しい若手への世代交代を阻害している。それこそが地方財政を改善できない諸悪の根源である。そう言う私も同じ世代なので、出世した同世代が諸悪の根源をなしている現状に複雑な心境だ。
そもそも税金は国会が国民にもとめる義務であるが、税金を高くすることが当然のように考える市町村長の発想が間違っている。政府が国民の支持を得てこそ、国民は税金を支払おうと考える。国民の協力なしには、税金は支払われないことをあらためて強調したい。
英国の古い諺である。
“Beggars can’t be choosers.”
「ガソリンの暫定税率を復活せよ」と主張している市町村長は、自分たちが「beggars」であることを肝に銘じるべきだ。

上司の仕事:意図して怒りをぶつける

大きな組織でも小さな会社でも上司には決断しなければならないときがある。ところが普段おとなしく紳士であると思われている上司は、部下があまくみて、上司の決断に従わない場面がある。そのような時には「意図して怒りを部下にぶつける」行動が部下を動かす手段として効果的だ。
私も普段は冷静で紳士であると自称している。40年以上のサラリーマン生活と教育者生活で、3回ほど意図して怒ったことがある。机を両手でガンとたたき、大声で怒鳴った。テーブルに置いてあったお茶はひっくり返り机の下まで濡れた。会議では全員がシーンと静かになり、誰かが発言するまでしばらく無言の時間が経過した。
本日報道された党首会談は面白かった。福田総理が民主党の小沢代表にけんか腰だった。野党の質問を受けて答える立場の福田総理が、逆に野党の党首に苦言を呈して説明を求めたのである。
この状況を国民がどのように見るか興味がある。
一般的には追い詰められた福田総理が「窮鼠猫をかむ」の状態になったと判断するのではなかろうか。
私は違う見方をする。福田総理は普段の冷静な紳士の殻を脱ぎ捨てて「意図して怒り」、矛先をを小沢党首に向けた。これは小泉さんが行ったパフォーマンスには及ばないものの、福田さんに固定観念を持っていた国民には、びっくりする効果的な行動である。小沢党首がニコニコしているしか対抗策がなかったことからも、効果的であったことが良くわかる。
しかし、野党の民主党にダメージを与えたかといえば、それはなかろう。むしろ、自民党内部で勢力を張っている道路族に与えたショックの方が大きいに違いない。いままで「大人しいから自分たちの意のままに動かせる」と思っていた福田総理が全く違う一面を見せたからだ。この行動で、福田総理は自民党のしがらみを一部解いたと思う。福田総理は「総理として自由に決断することができるのだ」ということを見せた。
福田総理が小沢代表に見せた「怒りの発言」から、福田総理のリーダシップを感じた国民も多かろう。「解散」という伝家の宝刀をちらつかせて道路族を封じ込めたら、福田総理は更に強いリーダシップを発揮できるようになる。

「青い地球を救う科学」 改訂新装版

ありがたいことに、この本を沢山買っていただいて、昨年の12月に改訂版を出すことができました。以前の初版では、校正が不十分で、だいぶ沢山の誤りがありました。(その正誤表は、このブログに載せてあります。)
改訂版にしたのですが、こういうものは、なかなか完全なものには到達せず、まだ、いくつかの誤りを発見してしまいました。p。148の冥王星についてのコラムの中はそっくり見落としてしまい、冥王星の大きさを間違っていたりします。(ケアレスミスです。すみません。)そこで改訂正誤表をこの記事に添付します。こう書けば、もっとわかりやすい、誤解がすくないだろう、というところも正誤表に入れました。
そして、間違いを直したものを出さなければ、と思って、実はいま改定(改定第3版)の準備中です。何人かの方から、こういう本は2,3回は修正しないと間違いはなくならない、と言われて、ちょっとはほっとしましたが、コンピュータのプログラムも同じですが、間違いをゼロにすることは至難の業だと思います。
最近、南極の氷の色が変わってきたとか、地球の大きな変化が新聞やテレビに報じられていますが、まさにこの本で述べようとしたことですし、これらの危機に対処するために、本当の科学が非常に重要だと思います。若いみなさんの大いなる、そしてリスクをかけた勇敢な活躍を期待しています。   狐崎   2009.4.20 追加修正

桜の花が散ったあと

今年の桜の花は2週間以上楽しませてくれた。ガソリンが安くなった恩恵で、週末に鋸山までドライブに出かけた。館山道や海ホタルを楽しんだ。新緑が芽吹き始めて、5月の陽気に新しい季節の到来を感じた。
大学の卒業式に桜が咲いていた。また入学式にも桜が咲いていた。どちらも桜を楽しむことができるのは珍しい。時折寒気が訪れたのと、あまり強い雨や風が吹かなかったのが幸いしたのであろう。
年をとると季節の移り変わりが早い。大学4年間の学生を見ていると、学生の変化もこの時期の桜のように思える。春の雨をおもいぞんぶんに吸収して花を咲かせ新緑の目を出す木々のように伸びる学生の姿はすがすがしい。一方で1割の学生は大学生活を見失って去っていく。
学科の学生に送るはなむけの言葉として毎年次のように話す。「君たちのご両親は大学を卒業させることができてホッとしているに違いない。最初の給料で御両親に今まで育ててくれた感謝の気持ちを表しなさい。」 卒業生はどのように感じているのだろうか。いつもの授業よりは強く印象づけられていよう。
桜の花が2週間という短い命を終えて、その先に待っているのは実をつけることだ。学生たちも大学学生生活で青春時代を謳歌し成長した。彼らを待っているのは、社会で「実」をつけることである。自分の仕事にプライドを持ち、社会のために役に立っている実感を感じながら働くのだ。
”The life of a cherry blossom is very short.”
大学での学生生活を楽しんだ彼らは実感をもってこの諺のように感じよう。
人生はいつでも後ろを振り返ると哀愁を感じる。振り返るのは60歳代に入った世代だけでよい。若者には前を向いて進んで欲しい。

上司の仕事:君子豹変す

4月に入って値上げラッシュの雪崩が発生している。例外はガソリンの値下げだけである。
このような国民生活の現状を政治家はどのように考えるのだろうか。
道路族を公言している政治家は「早くガソリン税の値上げをしろ」と大声で言い続けるのであろうか。「ガソリン税の値上げが必要だ」と政治家が公言するのはケシカランと言っているわけではない。むしろ3月以前のようにガソリン税値上派を沢山集めて、総決起大会をどんどん開催することを歓迎する。そのようなニュース報道が沢山流れたら、国民は道路族が浮世離れをした主張にこだわっていることを良く知ることができる。次の衆議院総選挙に国民の強い関心が集まるであろう。
4月の値上げラッシュのNHK報道は、まずガソリンの値下げの影響、次に小麦粉の政府売り出し価格の値上げに伴う諸物価の値上げ、の順である。値下げの次に、値上げのニュースがあるので、自家用車のガソリンに毎月3万円も支払っている身には、まあまあである。これが、値上げニュースばかりであったら、怒り出す国民が多くなるに違いない。
福田総理は、意図せずに諸物価高騰のこの時期に、ガソリン税値下げで成果をあげた。相変わらず発言は、ガソリン税をもとの価格に戻すと言っているようであるが、現在の日本経済の危機をどのように判断するのであろうか。道路族に顔を立てて従来の主張を繰り返すのと、米国のサブプライムローン問題から発生した円高で日本企業が急速に苦しい立場に追い込まれている状況を勘案して従来の主張を撤回するのと、福田総理には2通りの選択肢がある。
福田総理には選択肢が与えられている。またあせって間違った判断をしてはならない。「君子豹変する」という諺がある。4月の世論の動向をよく見て、ガソリン税を現状に据え置く「君子の豹変」ができたら、道路族に手を焼いた小泉総理を超える宰相という評価を後世に残そう。