2008/7/30 水曜日

博士の学位:サラリーマンから大学の先生になる方法

Filed under: 若者に話したい仕事の経験, 博士の学位 — mizusawa @ 22:01:59

50歳代になると多くの企業で退職か転職を余儀なくされる。企業では取締役に残れないと退職するように求められるからである。子会社を多く抱えている大企業では子会社へ転出する。子会社の幹部として定年退職の60代まで仕事ができるサラリーマンは幸せである。
サラリーマンから大学の先生に転出する方法がある。文系の先生になりたければ、本を何冊か書いて、一つの分野で専門家として認められれば、どこかの大学から声がかかるかもしれない。理工学部の先生は、博士の学位が必須である。
昼に友人から電話がかかってきた。我が大学で募集している理工学部教授職の募集の実情についての質問である。
「先生の公募が公になっているけれど、本当のところは本命が既に決まっているのでは?」「いや、完全な公募で、本命はいませんよ」 本命が別途居ることも多いのだろう。世論に配慮して形だけの公募をしているのであれば、応募するための資料の作成が無駄な努力になるので、このような質問が浴びせられる。
「公募内容には専門領域が沢山書いてあるけれど、どの分野が主たる目的なのだろうか」 募集する側は人材の発掘を希望するので、広めの専門分野を公募に記載することになりやすい。
「研究分野は分ったが、外にはどのような人材が求められているのだろうか」「教育経験も重視しているので、模擬授業が求められるよ」 企業の研究者は研究成果は問題ないとしても、教育経験が少ないと不利になりやすい。大学で非常勤講師を経験していると、その経験が生かせる。
最後に、企業で出世した人材が大学でも採用されるとは限らない、同じ企業から二人以上応募した以前の事例では、「企業で偉かった人は模擬授業で技術の詳細が説明できず、教育能力がないと判断された」と追加で説明した。
最近は大学教授1名募集に50名以上が応募しれくる。サラリーマンから大学の先生に転出を希望しても、それなりの努力と幸運を要求される。まずサラリーマンの40代(30代?)から10年(20年?)以上をかけて準備をする計画性と努力が必要だ。

2008/7/28 月曜日

凶器となる電話

Filed under: 若者に話したい仕事の経験 — mizusawa @ 14:44:23

突然かかってきた電話に不愉快な思いをすることがある。日曜日の夕方に不愉快な電話がかかってきた。
「NTTの岡本といいますが亨さんいらっしゃいますか?」と丁寧な口調である。
この手の切り出しでおかしな電話がかかってくることが多いので、逆に質問した。
「後ほどこちらから電話しますので、電話番号を教えていただけませんか?」
これだけで、先方の口調が変化し柄が悪くなった。
「電話番号を教えろとはなんだ!」
電話を切ると再度ダイヤルしてくる。応答して様子を聞くと低い声で「テメー、・・・」と唸っている。
110番に電話しようかと考えたが、まず116に電話して、「脅しの電話がかかってきているのですが、相手の電話番号を知る方法はありますか?」と質問した。NTT東日本のオペレータは「電話を切ったあと、136番をダイヤルすれば相手の電話番号は分ります。」と教えてくれた。「ただし、相手が電話番号を非通知にしていたら分りません。」
案の定136を試したところ、非通知であった。再度116に電話して質問した。「非通知の相手からの電話がかかったら、電話のベルを鳴らさない方法はありますか?」答えは「ナンバーディスプレイの電話機をお持ちでしたらそのようにできます。」
「我が家の電話機は昔からの黒電話ですが?」と聞いたら「できません」という返事だった。
オレオレ詐欺、振り込め詐欺など、年配者をだます手口が横行している。年配者は昔からの電話機を大切に使っているし、現在も黒電話を信用している大切なお客様のはずである。電話番号「非通知」で電話してくる輩は、電話を凶器として利用しているに違いない。NTTは電話番号非通知で着信するときは、受話器をとった時「この電話は非通知で接続を要求していますので、振り込め詐欺などに十分ご注意下さい。」と接続前に案内をすべきである。これだけで、年配者が振り込め詐欺などの被害者になる件数を半減できよう。また年配者の黒電話に対する長年の信頼に答えることができる。
皆さんはどう考えますか?

2008/7/26 土曜日

上司の仕事:一番つらいこと

Filed under: 若者に話したい仕事の経験, 英会話の勉強 — mizusawa @ 20:15:48

長年おつきあいをお願いしている友達ご夫妻と談笑した。話題が人生の幸せに及んだ時、92歳の父との会話を思い出した。
私の観察では、父は現在人生で最も幸せな生活をしている。無論仕事はせず、年金を受け取り、生活に不自由しない。足腰が年齢相応に不自由になっているので、外出はほとんどしない。ほぼ一日中安楽椅子に座ってきれいに整備された庭を見たり、テレビを見たりしている。要介護2に最近指定され、毎日介護の人が食事の世話に来てくれる。
私も介護保険の請求書が今月から自宅に届くようになったので、父の生活は私の将来を考えさせる。
月に数回、一人暮らしをしている父を訪ねる。その時父の口に出る言葉は、「仕事もできず、社会のお荷物になっている、そのことが一番つらい」
長寿を周囲に祝福され、不自由ない生活を送ることが「一番つらい」という。
父のこの言葉が、中学校時代に聞いた諺を思い出させた。
「艱難辛苦(かんなんしんく)汝(なんじ)を玉にす。」
父は1歳の私を抱えて、東京から避難して千葉に住んだ。日本が敗戦を味わい大混乱の時代を生き抜いた。恐らく「苦労することが人生でありそれが楽しみ」だと肌で知っている。何も苦労することがなくなったら、それが「一番つらいこと」だと感じている。
何歳になっても「苦労することが人生の楽しみ」だとすると、年金をもらいこれから「自由気ままに楽に暮らそう」と考えることは、終盤の人生設計を誤るかも知れない。
「艱難辛苦汝を玉にす」
の諺について、人生若いうちに苦労してそれなりの仕事をしたら(玉になったら)、その後は楽な人生を送ること、とその昔考えていたが間違いのようである。
ちなみに類似の英語の諺をALCで探したら、次の説明があった。
“Adversity makes a man wise, not rich.”
「不幸は人を賢くするが、金持ちにはしない。」
Adversityの意味として、この例では「不幸」よりは「逆境」ないし「困難」を選んだほうが好ましいと考える。なぜなら、「困難そのものが人生の幸せだ」と父は言っているように聞こえるからだ。

2008/7/23 水曜日

上司の仕事:試験監督

Filed under: 若者に話したい仕事の経験 — mizusawa @ 20:59:25

大学では前期の定期試験シーズンに入った。試験監督として、学生の受験状況を観察した。
試験監督は学生がルール違反をしないように、教室内の見回りをする。大半の学生は解答用紙に向かって熱心に鉛筆を走らしているが、そうでない学生も見かける。
受験生が42名で、2名の目がしきりとこちらを見る。教室の最後から2番目の列に座っている二人である。作成した解答用紙を後ろの席の学生が見える位置にわざと広げているようにも見えるし、そうでもないようにも見える。
試験を受けている学生がカンニングなどルール違反を行うと、試験監督は大変である。試験監督は事件の後始末に忙殺されるし、学生は複数の科目の単位認定を取り消され、事実上留年が決まってしまう。
試験監督の先生が学生のルール違反であると決めつけると、学生にその意志がなくても、学生の人生が狂ってしまう可能性がある。しかし、ルール違反を明確に犯した学生を見逃すことは、他の学生にルール違反を奨励するような結果になってしまう。
ルール違反の判定は、性善説に立つのか性悪説に立つのかで全く異なる。人生を65年経験していても、判定には迷いが生じる。
試験が始まるとまだテストがはじまったばかりなのに、机に突っ伏して寝てしまう学生もいる。両親に高額の授業料を払ってもらいながら、試験に早々と降参しているのか。試験監督としては、ただ静かに教室内の見回りを繰り返す。
冷房の利いた試験場で受ける期末テストは、人生階段の1段を登る程度にすぎない。正々堂々と挑戦してほしいのだが、試験のたびに繰り返して言うように試験監督マニュアルに書いてある。
「不正行為は厳に慎むように!」と注意を与えながら、虚しさを感じる。

2008/7/18 金曜日

技術の命:光配線

Filed under: 光技術 — mizusawa @ 10:47:58

コンピュータや家電商品が機能が向上しながら小型化しているのは、電子部品とりわけ電子部品を構成する半導体回路の配線を細くする技術が次々に誕生しているからである。プリント基板や半導体の配線はアルミニュームなど金属の細い線を作成して、その線を電流つまり電子が集団で流れている。
このような細かい配線は印刷技術で作成して、半導体部品ではおもにシリコンつまり砂の成分で作ったシリコンの板の上に配線を描く。配線の間隔や幅はおよそ100ナノメートル、つまり1ミリメートルの10,000分の1の細さである。
金属の配線に電流を流すことで高速に信号を伝える努力は次々に成果を上げてきたが、エンジニアは更に高速に信号を伝えることのできる光配線を研究している。ところが光配線には配線を細くすることができない限界が従来から指摘されていた。
我々が目で感じる緑色の光は550ナノメートルの波長である。また通信で使われている光は目に感じることができない1,550ナノメートルである。そして限界は光はその波長よりも狭い空間で作ったトンネル(これを光導波路と呼ぶ)に入ることができない、という点であった。
光は振動しているので、時計の振子のように行ったり来たりする1回の間に光が進む距離を波長という。人に例えれば、光の身長であろう。子供のように小さければ小さいトンネルを通ることができるが、大人はその背丈にあったトンネルしか通ることができない。
通信用の光1,550ナノメートルで半導体の中の配線を光の信号に置き換えると、トランジスタなど半導体素子の大きさが光配線の10分の1程度なので、そもそも光配線を半導体に利用することは技術的に困難と考えられてきた。
ところが、光の身長を短くする技術が最近注目を集めている。なんと光が金属表面に多数存在する電子の集まりと影響しあうことで、光波長を10分の1以下に短くできるという。つまり、金属表面と空気やガラスなどの境界面で構成するトンネルを作れば、光の身長を10分の1程度に縮めて光信号を通すことができるというのだ。光信号は電気配線に比較して格段に高速な信号を伝えることができるので、この技術が実現できれば、コンピュータや通信技術の飛躍が期待できる。
鉄腕アトムやドラえもんを作る技術につながるかも知れない。

2008/7/16 水曜日

学生の就職活動

Filed under: 若者に話したい仕事の経験 — mizusawa @ 9:38:26

大学で学生が就職活動をしている様子を見ていて、気がついた問題点を列挙する。
(1)「就職活動で企業を訪問するので」という理由で授業を休んだり、研究室打ち合わせを欠席する学生が多い。
(2)民間企業に比較して公務員の採用試験が格段に遅いので、公務員試験を目指す学生には、公務員試験に失敗した時のリスクが高い。
(3)大学3年生に就職内示を出しておきながら、翌年の4月には正式採用とせずに7月以降まで待たせる企業がある。
石油の価格高騰の影響と政府の無策のおかげで、急速に経済状態が悪化する気配である。今朝のTVニュースでトヨタとGMが自動車の販売目標を下方修正したと報じられた。私の研究室からは毎年トヨタに就職している学生が出ているので気になる。
つい先日までの学生にとって売り手市場の就職活動は、そろそろ就職活動を開始しようとしている3年生にとって大変厳しい場面に変化しよう。企業にとっても、多数の内示を出しておきながら、今年の後半には内示取り消しの動きが出ると予想できる。大企業では10月1日に正式内示を出す計画になっているので、人事担当は急速な経済状況の変化に対応できずに困っているのではないかと想像する。
学生の就職活動の様子は、現在大変間違った仕組みで進んでいる。いわゆる青田刈りである。学生が大学での勉強をないがしろにして、就職活動に振り回されている現状は変えなければならない。経済活動の急激な変化が予想される現時点で、経済界や政府は正常な就職活動を促進するための、社会的なルールを決めるべきである。提案するルールは次のとおり。
(就職活動のルール提案)企業は、正式な採用内示を学生に出した場合には、4月以内に雇用しなければならない。正式内示に先立って行う仮の内示、いわゆる「内内示」は1回限りとし、「内内示」を提示した場合には2月以内に正式な採用内示を提示しなければならない。
半年後に予想される就職活動の大混乱をさけるため、上記ルールを法律、あるいは文部科学省・経済産業省の通達、ないしは経済団体が求める社会的コンセンサスとして早急に定めることが急務である。

2008/7/15 火曜日

ジョギング:夏の日差し

Filed under: ジョギング — mizusawa @ 20:22:27

7月に入って金曜日の朝方、梅雨の合間の暑い日に、相模原ゴルフコースの周囲をジョギングした。
相模原市は道路の両側に木立が並ぶ、気持ちの良い道路が多く目に入る。相模原ゴルフコースの周囲でも、半分以上は木の下を走るのでジョギング向けである。
淵野辺公園から出発してゴルフコースを左手に見ながら一周するとおよそ8キロメートル程度であろう。比較的長い距離を走ると、ジョギング中に有ると便利なのはトイレと水飲み場である。途中にコンビニがあれば、そこでスポーツドリンクを買ったり、トイレを拝借することができる。
夏の暑い日差しを受けて走るとき、体全体が暑くなっているので、水飲み場で頭を水道の蛇口の下にもっていき、つむじや首のまわりに水をかけると大変気持ちが良い。熱中症予防には欠かせない気持ちよさである。もっとも、他人は怪訝な顔で見ているかも知れない。。
先日の金曜日のジョギングではまず一周と、きつい日差しを避けて9時前に走った。ゴルフコース東側の「相模原緑道緑地」を走っているときに、太陽の光が照りつけて暑く感じた。道路の東側に木立がなく、家が立ち並んでいた。淵野辺公園が近づくと道路の左側にある背の高い木立の代わりに木造家屋などになるので、ジョギング中に日差しを浴びることになる。
緑道を走りきって淵野辺公園に駆け込んだ時は、暑さから一挙に涼しいと感じた。水気を含んだ土と木々がこの涼しさを作っていることが良くわかった。
公園の中を半分ほど周回すると野球場の裏手にトイレがある。そこで頭から水をかぶった。爽快だ。
更にもう一周と走り出した。途中のコンビニで飲んだポカリスエットは普段より格段に甘く感じた。体が欲しがっていた。以前はジョギング中にジュースなど甘い果汁の入ったドリンクを飲んだことがあったが、最近はポカリスエットか濃い茶ばかりである。この選択のほうが体重増加が抑えられ、体調も良いようだ。
国は国民の医療費削減を声高に叫んでいるが、道路の両側に涼しい影を作ってくれる木立が並んだ道路を増やせは、皆ジョギングやサイクリングを楽しむようになる。散歩できる環境整備は、二酸化炭素の削減と同じように国が率先してすすめるべき、環境政策だと思う。

2008/7/14 月曜日

上司の仕事:窮余の一策

Filed under: 若者に話したい仕事の経験 — mizusawa @ 16:00:45

会社で仕事をしていて、全く仕事が進まなくなってしまうことがある。北朝鮮の拉致問題に対しての日本政府が置かれた立場がそのような状況だ。
国家間の難しい問題だから、この難問に飛び込んで行く勇気のある官僚も政治家も居ない。小泉前総理が北朝鮮を訪問したような、誰も考えない様な展開を考え出す人材が居ない。福田総理は苦しいながらも、誠実な人柄で仕事をしているという最近の印象だ。少しずつであるが、民主党が期待するような政治局面が消しゴムで消されるように薄まっている。しかし、拉致問題に対応できる能力があるとは誰も考えていないのであろう。
もし、福田総理に緻密な思考能力と政策の指揮官としてふさわしい能力があれば、拉致問題に対する切り口を見つけ出す窮余の一策は次のような発想から生まれよう。
拉致を世界中で行った北朝鮮は、同じ拉致を最近でも行っているに違いない。偽ドルを発行した北朝鮮であるから、北朝鮮の偽ドルはいまだに流通しているに違いない。よく調べたら、北朝鮮のテロ活動につながる情報はいくらでも見つかるに違いない。日本は平和な国であるから、他人の行動を疑うことは原則ない。ただ、拉致問題が解決しない以上、日本は手ごわい相手であるということを北朝鮮に知らせる必要がある。日本国内に存在する北朝鮮関連の人や組織について、その行動を厳格に調査したら、さまざまな問題の端緒が伺われよう。そのためには、広く日本全体から北朝鮮関連の治安情報を入手して、むろんインターネットを流れるメール情報を監視して、総合的に政治判断する法治国家の仕組みが必要となる。
米国はテロとの戦いという名目で、個人情報に対して治安情報を優先する動きがある。日本は戦前の軍部や警察が強権を発動した苦い経験から、現在は治安維持について行き過ぎのないように多くの配慮がなされている。しかし、北朝鮮の拉致問題をきっかけにして、目的をはっきりさせた分りやすい治安維持やそのためのルールを考え出す時期に来ているのではなかろうか。

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