資本主義は崩壊したのか

かって冷戦時代、共産主義と資本主義が対立していた。どちらの社会体制が優れているかという議論がなされていた。共産主義は労働者の立場にたった政治思想と考えられ、戦後の日本でも共感する人がある程度いた。しかし、その後ソビエト連邦は崩壊した。ソビエト連邦の共産主義は独裁政治といえるもので、労働者のための社会をうたいながら、実は一部の官僚のための政治体制だったと思われる。
ソビエト連邦が崩壊したことで、資本主義が共産主義に勝ったと考えることもできたが、最近の経済危機でその資本主義が崩壊したと言えるかも知れない。米国流のお金がお金を産む仕組みは、本来の生産活動とは別物で、昔から疑念を抱いていた人も多い。ただ、社会が豊かになったことを認めざるをえなかったので、本来あるべき地道に生産活動することの大切さを人々は忘れかけていたのだろう。
「100年に一度の経済危機」が資本主義の危うさを提示したことは間違いない。自由と平等を大切にするはずの資本主義社会で、社会的な格差が顕著になれば「不平等」な社会に不満を持つ庶民が多数を占めるようになり、ひいては社会不安を引き起こす。同時に企業がこの危機を乗り越えるために迅速に会社の仕組みを再構築することも求められる。両者のバランスをどのように実現するかが課題だ。
今回の経済危機は金融界の「信用不安」と民衆の「生活不安」が結びついて起きている。「信用不安」については政府が「信用」を作り出すことで乗り切る作戦と見える。庶民の「生活不安」については、定額寄付金で解消するとは思われない。むしろ、生活防衛を強く意識して、食料品などの消費に消えよう。
戦争中に生まれた世代の視点で考えると、現代は豊かさが膨らみすぎた社会だ。生活防衛に徹すれば、消費を極端に縮小することができる。つまり「生活不安」が大幅な消費縮小に結びつく可能性が常に存在する。
消費が悪とは言わないが、我々現代人の消費は地球環境問題に結びついている。つつましいが安定した社会を実現する生活スタイルを望む人が増えよう。
資本主義は崩壊したわけではない。ただその欠陥を露呈した。自由な発想で新しい仕組みの「生活環境」を探す時代に入った。

オバマ大統領への期待

米国で初の黒人大統領が誕生した。オバマ大統領がブッシュ前大統領がもたらした災いを解決してくれると期待する声が沢山ニュースで紹介されている。
オバマ大統領は庶民的な親しみのある行動をとり、演説は魅力的だ。日本の首相と比較しても意味がないかも知れないが、賢い実力の証明された大統領を選ぶことのできる米国の仕組みをうらやましいと思う。もっとも長期の大統領選挙選に多量の資金をつぎ込む米国方式が日本でもできるとは思われないが。
自民党は毎年総理大臣が交代する事態になっており、自民党党首の順番待ちをしている政治家ファミリーばかりだ。日本の政治家もすべてCHANGEして、政治家ファミリーが政治の舞台から消えて欲しい。
オバマ大統領は就任演説でアメリカの現実は厳しいと断言している。危機の中、米国国民に責任を求めた。米国を再生するという。
一国行動主義をやめ、環境問題に取り組む。オバマ氏の演説を聞いて、これほど演説が人に共感を与えるとは思わなかった。
オバマ大統領のメッセージは、大きく米国社会を動かすであろう。

組織の瓦解

会社組織は現在の社長が次の社長を選ぶ。次の社長がその次の社長を選ぶことで会社が続いて行くので、社長人脈のつながりがどうなっているか理解できれば、その人脈に入ることで得をする。
会社のトップになろうと思ったら、人脈のつながりを読めばよいということはやさしいが、実際に読んだように世代交代が進むかと言えば、ほとんどの場合予想とは異なる結果になる。
自民党はトップに麻生総理を選んだことで、すでに次のトップが誰になるか読めなくなってしまった。選挙で勝たなければトップの座は民主党に奪われてしまう。
現在国民も含めて分かっていることは、麻生総理では「だめ」ということだけだ。「ダメ」押しされた麻生総理の人気を回復することは、次の衆議院選挙で勝つことより難しい。
いっそ、一度民主党に政権を渡すことを考えないのだろうか。民主党もいずれドジを踏んで「ダメ」党首の烙印をおされるであろうから、それから反撃した方が、自民党の作戦として優れているかも知れない。戦線を立て直して出直すのが賢明と考えないのだろうか。
このまま時間を稼ぐと、自民党から造反者が多数でて、自民党が瓦解していく様子を国民に延々と公開することになる。それこそ、自民党の致命傷となろう。
麻生総理のおかげで、ここ当面政治の展開に興味をもつ国民が多かろう。国民のためと言いながら、本心は自民党のために総理の座に執着しているのだろう。
しかし、自民党組織が瓦解していく様子を延々と国民に見せる舞台劇を演じ続けている矛盾、これも政治でも企業でも組織にありがちなストーリである。

真冬のジョギング

今日は昨日ほど風が強くなくジョギングには最適な日和だった。葛西臨海公園を出発点として周囲6kmの「健康の道」というジョギングコースがある。「まいはまおおはし」をわたって浦安市から江東区に入ると「健康の道」につながる。この道でジョギングすると10kmはあろう。
「健康の道」はジョギングないしはサイクリングの専用道路になっている。葛西市場の脇を通り過ぎるが、環状7号線を立体式の歩道橋で渡り信号待ちが必要ない。その先もいくつも立体交差になっており気分が良い。それでもジョギングしている人とはほとんどすれ違わないのが不思議である。
「健康の道」を入っていくと「新左近川親水公園」に入る。川沿いを走るとカモなど鳥が泳いでおり、ヨーロッパの公園に来たような印象だ。新左近川を渡り「新長島川親水公園」沿いに走る。徐々に上り坂である。人工的に作られた小川に沿って走る。すると大規模な団地の中に入り、首都高速の清新町入口近くに到着する。
首都高速に沿って荒川に出る。荒川の土手は只今工事中で、従来のコンクリートブロックと柵で人を寄せ付けなかった堤防が緑に覆われた堤防に変わる掲示が立っている。土手沿いはまっすぐな直線道路で3km程度の距離に散歩、自転車、ジョギングと人通りが多い。
荒川の河口に到着すると自宅から10kmである。今日は珍しくヨットが20艘以上沖合に浮かんでいた。風力発電の風車は羽を休めていた。葛西臨海公園は家族連れが多くいた。中にはフランス語、英語の家族連れも見かけた。
葛西臨海公園の海岸沿いを走り、またもとの「まいはまおおはし」に戻った。橋を抜けてディズニーランドに近づくと人通りはほとんどなくなる。カラスが何かを道路の真ん中で食べている。近づくとネズミであった。カラスは家庭ごみをあさるので嫌われているが、ネズミも食べるのであれば、益鳥かもしれないと思った。

イスラエルとハマスの戦争

国連の安保理がイスラエルとハマスの停戦を決議した。アメリカは棄権し、戦争は続いている。
戦争は力で相手を破壊しようとする、人類が本質的に備えている性格の一つだ。
イスラエルは戦争で勝つことでアラブ諸国のただなかで存在できてきた歴史がある。したがってイスラエルはあらゆる手段を使って必ず戦争に勝つことを目指す。
ハマスも好戦的な組織だから、例えイスラエルに比較して圧倒的に軍備力が貧弱でも、ゲリラ的に戦いを続けている。私の頭はどちらの立場も理解できるから、この戦争が停戦されることを望むが、実現できそうな気がしない。オバマさんに期待するしかないのか。
大江さんはテレビのニュース番組で、「人間がやっていることは必ず解決できる」と話している。「意志」の力で解決できるそうだ。確かに不可能に見えても希望をすててはならない。それでも現在の世相は戦後5年間よりも暗いと大江さんが話している。
私の予想ではパレスチナにハマスを支持する民衆が居る以上、イスラエルとハマスの戦争は終わるとは思われない。歴史授業で100年戦争という言葉を聞いたが、現代の100年戦争となるのだろうか。
戦争に限らずほとんどの仕事は、開始することより、終結させることが難しい。
私は第二次世界大戦中に生まれた。東京大空襲で爆弾が落ちてくる下で、両親のおかげで今まで生き延びた。敗戦は大変な苦難を日本にもたらしたが、たとえ敗戦であっても、60年後の現在まで戦いが続くようなことはなかった。
戦争を終結させた両親の世代に感謝したい。

若年性アルツハイマー病

四十数年前同じ大学に通った友人の顔を本日テレビで見た。若年性アルツハイマー病を紹介する6チャネルの番組で21時から放送している。
久しぶりに見た友人は昔の話し方そのままで、秀才の彼の口調が残っていた。会話からはアルツハイマーとは思えない。昔からにこやかな顔つきで、今もそのままで、病気に悩んでいるような雰囲気はない。
会社でも出世コースを歩いていたに違いないが、定年間際に若年性アルツハイマー病と診断され、余儀なく退職したという。その時のことを番組で聴かれて、「これで自由になったバンザイ」と答えていた。この答え方は、私が学生時代に交わした、超秀才の彼が若干の皮肉をこめて返事する会話パターンの一つである。
テレビに映った現在の日常生活は奥さんと大変仲がよい。奥さんのアドバイスに一つ一つ気軽に従っている。夫婦の信頼が彼に笑顔を与えていると感じた。
おそらく鋭い観察力と判断力は彼の頭の中に残っている。その頭脳が、自分自身が若年性アルツハイマー病であることを理解して、悔しさに耐えながら笑顔を絶やさないようにしていると見た。
人生いろいろだが、彼の残った頭脳の努力に敬意を表したい。

渡辺元行革相ガンバレ

自民党がおかれた環境は、しばしば会社でも同様な事態に遭遇する。トップが判断力が欠けており、社員は誰もがこれではまずいなと感じながらも、そのことを口に出して言うことを躊躇する。発言すれば自分の首が危ういからである。
定額寄付金の件は、明らかに姑息な政治の人気取りである。国民もそのことに気が付いており、人気取りが逆に麻生政権にとって逆風になっている。皮肉なものだ。
麻生総理は時間を稼いで、自民党の人気度が回復する戦略を採用したように見えたが、実際には麻生総理の個人的な資質が疑われる事態になり、狙いとは逆に自民党の人気は低下の一方となった。
相模原市では地元候補者が自身の写真と一緒に麻生総理の写真を並べて多数掲示し、麻生総理人気にあやかろうとしたが、瞬く間に正に大きな見込み違いとなった。
渡辺元行革相の行動は単純明快で筋が通っているように思われる。組織(自民党)の一員であれば、組織に属することで保障される身の保全を誰でも第一優先で判断する。
従って、ことの経緯はどうであれ、渡辺氏が執行部に対して「ダメはダメ」と言うのはかなりの勇気が必要だったはずだ。
あえてはっきり発言して、渡辺氏の性格と考え方を広く国民にアピールしたという意味で、会社のサラリーマンとは異なる価値観で渡辺氏が判断していることもあろう。
リーダシップを発揮できる人材が自民党から離れていく現実を国民は無言のうちに理解している。

消費税より炭素税

BS1で放送されたレスター・ブラウンの番組を見た。米国は1月に大統領がオバマに代わり、急速に環境改善を目指す社会になると感じた。100年に一度と言われる現在の不況を乗り越えるため、オバマ次期大統領は2050年までにCO2の排出量を50%削減する計画を発表したという。それに対してレスター・ブラウンは2020年までに80%削減する目標を掲げるようにアドバイスしたという。レスター・ブラウンの説明によると、彼の提案は現実的で、米国はできるという。その証拠は第二次世界大戦の実績にあるという。
パールハーバーが日本軍によって奇襲を受けたのち、1941年に米国大統領は米国の自動車産業界の代表を呼んで、何千何万という戦闘機、戦艦、軍用品の生産を依頼したという。3年間米国は車を生産せずに、大統領が要請したほとんど不可能と思われた戦備品をその後の3年間に生産したという。大統領の決断とリーダシップが産業界の底力と結びついて第二次世界大戦を克服する力を発揮した、と説明していた。
現在の大不況は、強力なリーダシップで現代社会が抱えている基本的な問題を総力をあげて解決する良いチャンスだと捉えることだ。日本には災害や天災が数多くある。環境問題は人間が生み出した災害だが、同時に台風、地震、津波などの自然災害では社会資本の充実が常に求められている。
麻生総理が提案した予算バラマキ型の一時しのぎの自民党のための政策では駄目だ。日本が世界のリーダシップをとったと報じられている環境問題を解決するため、また日本が抱える災害に対する備えを充実させるため、大きな政策決断が是非求められる。
それは、消費税の増額ではない。低酸素社会をつくる、CO2削減に向かって国民や産業界を動かす「炭素税」の導入だ。見本はドイツなど欧米にある。
日本の政治家の判断が遅れて、米国にも環境問題で抜かれてしまうのか。日本の政治家、急げ!