ネット翻訳の盲点(5)

WEB翻訳の実力を比較するため、前回に引き続いて少し難解と思われる例文で調べてみる。
例文2(難解な文章)
形態素解析は日本語解析の重要な基本技術の一つとして認識されており、近年、様々な解析手法が開発されている。本稿では新技術に基づいた新しい形態素解析の手法を提案する。

Google
日英翻訳:Morphological analysis has been recognized as one of the fundamental techniques of Japanese analysis, have recently been developed a variety of analysis techniques. This paper proposes a new approach based on morphological analysis of new technology.
翻訳結果を英日翻訳:形態素解析は、最近の分析の様々な技術を開発されている、日本語解析の基本的な手法の一つとして認識されている。本稿では、新技術の形態素解析に基づいた新しいアプローチを提案する。
寸評:日英・英日とも意味が十分通じる翻訳となっている。この翻訳結果を導き出した技術を推測すると、Googleが得意とする検索を適用している可能性が高い。即ち逐次的に辞書を引いて翻訳するのでなく、類似の文章が使われている既存の論文を利用したのではないか。

Excite
日英翻訳:As for the morphological analysis, it is recognized as one of the important basic techniques of a Japanese analysis, and various method for analyzings are developed in recent years. It proposes the technique of the new morphological analysis based on a new technology in this text.
翻訳結果を英日翻訳:形態素解析に関して、それは日本の分析の重要な基本技術の一つとして認識されます、そしてanalyzingsに、様々な方法は近年開発されています。それは本稿の新技術に基づく新しい形態素解析のテクニックを提案します。
寸評:訳文は少々不自然だ。ライティングの得意でない日本人が書く英文にどことなく通じるものがある。意味は(ある程度)通じるのだが、英語としてはどうなの、というレベルの訳文だ。「本稿では・・」を「It…in this text.」と英語の構文に置き換える翻訳アルゴリズムを適用している。

Systran
日英翻訳:Morpheme analysis is recognized, as one of important basic technology of Japanese analysis recently, various analytical techniques are developed. Technique of the new morpheme analysis where with this manuscript it was based on new technology is proposed.
翻訳結果を英日翻訳:形態素の分析は日本の分析の重要な基礎技術の一つとして、様々な解析技法成長します最近確認されます。この原稿と新技術に基づいていた新しい形態素の分析の技術は提案されます。
寸評:第一文は比較的理解できるというレベルであるが、文の構造を正確に把握することができていない。「where with this manuscript it was…」という文章に翻訳の解析に苦労した様子がうかがえるが、「本稿では」を「本稿は」と主語であることを明示すればこのようなややこしい翻訳をしないかも知れない。
対応する英日翻訳はこの混乱の影響でおかしくなっている。

今回の判定:Googleの勝ち。ただし、他の文例でも同じようにGoogleが勝つかどうかは疑問が残る。

ネット翻訳の盲点(4)

WEB翻訳の能力を調べるため、二つの文章からなる構文を準備した。今回は比較的簡単なもの(機械翻訳させやすそうな文章)、次回はやや難解(論文のようなアカデミックなもの)なものと、二種類の例文を使用する。
使用する機械翻訳サイトはGoogleとExcite, 海外サイトとして今回はSystranで検証してみることにした。前回のFreelancetranslation.comの再翻訳結果が非常に厳しいものであったので、別のサイトに切り替えた。Systranは翻訳ソフトの開発会社であり、最近ではiPhoneやiPadといったモバイル端末にも翻訳系アプリを提供している。

 Google: http://translate.google.co.jp/#
 Excite: http://www.excite.co.jp/world/
 Systran: http://www.systransoft.com/

例文1(比較的簡単な文章)
私は学校に行くために毎朝電車に乗ります。最寄り駅から学校まではバスで行きますが、いつも道路が混んでいるので遅刻することもよくあります。

Google:
日英翻訳:I ride the train to go to school every morning. Nearest to school by bus is often late because you can always crowded roads.
翻訳結果を英日翻訳:私は電車が毎朝学校に行くに乗っている。バスで学校に近いがよく遅くまでですが、いつも混雑道路をできるからです。
寸評:第一文の翻訳は短文のため訳せている。第二文は「駅」を英文に置き換えることなく、日本語特有の主語を明示しない文章に翻訳ソフトが大混乱をきたしたようだ。翻訳した第一文の英語は我々日本人には理解できるが、それを元の英文に再翻訳した結果は、日本語の体をなしていないお粗末な結果だ。第二文は議論するに値しない日英翻訳となった。
Google翻訳の特徴として、各和文単語にマウスオーバーすると、対応する英単語がハイライトされる機能がある。逆の操作、つまり訳文の各英単語にマウスオーバーすると、対応する和文単語がハイライトされる。今回の例文ではGoogle翻訳は文章の翻訳に使えない。単語翻訳だけにした方が無難だ。

Excite:
英訳:I take a streetcar to go to school every morning. There is often late what though it buses from the closest station to the school because the road is always crowded, too.
翻訳結果を英日翻訳:私は、毎朝学校へいくために電車に乗ります。遅く、それがしばしばそれがどうしたあります。道路がいつもまた、混雑しているので、最寄りの駅から学校までバスで行きます。
寸評:電車がstreetcarと訳されているのが興味深い。streetcarは路面電車という意味だから、日本では鉄道網が発達していることを知らないプログラマが翻訳ソフトを作成したと推測できる。Exciteの第一文の翻訳はGoogleより優れていると思う。二番目の文章は長いので翻訳が難しが、これもGoogleより優れた翻訳結果となったと言ってもよいが、翻訳とは言えないレベルである。翻訳結果の英日翻訳は第一文はOKだが、第二文は評価に値しない。

Systran:
日英翻訳:I ride in every morning streetcar in order to go to the school. From the neighboring station it goes to the school by the bus, but because always the road has been packed, also it is good to be late.
翻訳結果を英日翻訳:私は毎朝の市街電車で学校に行くために乗ります。近隣の場所からそれはバスによって学校に行きますが、ずっと道は常に詰まっているのでまた遅いよいです。
寸評:第一文は翻訳したと言えよう。第二文もbecause文まではまあまあ理解できる。主語がitになっているが、これは原文の日本語に「私」を補えばより正確に訳す可能性がある。日本語の性質を理解している人が翻訳ソフトをプログラムしたと思われる。it is good to be lateという部分は誤訳である。

今回の判定:Systranの勝ち。

ネット翻訳の盲点(3)

ニュースをWEB翻訳するとどうなるか、前2回につづく検討事例を紹介します。

日英翻訳例文3(ニュース系):首相は12日、官房長官の辞任を発表した。

Google:12th Prime Minister, announced the resignation of Chief Cabinet Secretary.
翻訳結果を日英翻訳:12内閣総理大臣は、官房長官の辞任を発表した。
寸評:訳文では「12代総理大臣」となっている。日付が翻訳できないのはGoogleが利用する辞書が日付に対応していないためと思われる。また、不必要に思えるコンマも挿入。それ以外は自然な訳文。再翻訳も12以外は自然。

Excite:The Prime Minister announced the Chief Cabinet Secretary’s resignation on the 12th.
翻訳結果を日英翻訳:首相は、12日に内閣官房長官の辞職を発表しました。
寸評:普通に読める自然な訳文となっている。再翻訳の和文も自然。

Freetranslation:The Prime Minister announced the resignation of the Chief Secretary of the Cabinet on 12th.
翻訳結果を日英翻訳:首相が続けてキャビネットの最高位の長官の辞意を表明した 第12に。
寸評:Exciteに引き続き自然な訳文となっている(the resignation of the Chief Secretary of the Cabinetのあたりが少し冗長な気もするが)。しかし再翻訳では不自然な結果となった。

ネット翻訳(1)から(3)の全体的な感想
総じて、Google翻訳はかなり不自然な印象だが、翻訳スピードは断トツの一位。自然な訳文はExciteである。再翻訳に関しては、直訳調でもさっさと翻訳してスピードで稼ぐGoogle,自然な訳文を心がけるExcite,そして英和翻訳は苦手ですと言わんばかりのFreetranslation、という印象が残った。訳出にかかる時間としては、Googleが最速、その次がExcite、そしてFreetranslationという順だった。
今回の例文は、三つとも短い短文だったが、次回は複数の文章で試してみようと思う。

ネット翻訳の盲点(2)

ネット翻訳の盲点(1)では、翻訳サイトが参照している日本語辞書が貧弱なことが分かった。翻訳した日本語をGoogleに読ませてみると、日本語の単語を間違って読むことが分かった。今回は別の例文を試してみよう。

日英翻訳例文2(マニュアル系):このダイヤルを回して温度を調節してください。

Google:Please dial to adjust the temperature of this.
翻訳結果を英日翻訳:この温度を調整するためにダイヤルしてください。
寸評:不自然ではあるものの、例文1の結果と比べると良い結果が表示されたと思われる。マニュアル等の英文は基本的にPleaseなどを使用せず命令文になっている。訳文の英文への再翻訳では、例文から少々ずれた印象を受ける。「温度を調節する」が「ダイヤルする」というように置き換わった。

Excite:Please turn this dial and adjust the temperature.
翻訳結果を英日翻訳:この温度を調整するために、ダイヤルしてください。
寸評:訳文としては自然ではあるものの、この訳文だと「ダイヤルしつつ温度調整も行う」というふうにも読めてしまう。Andではなくtoであれば非常に自然な訳文となった。訳文の英文への再翻訳がGoogleのものと同じ結果というのが興味深い。

Freetranslation: < 主語なし> It turns this dial and please adjust temperature.
翻訳結果を英日翻訳:それがこのダイヤルを回すので温度を調整してください。
寸評:訳文は不自然だが、<主語なし>という断り書きが興味深い。英語と日本語の言語構造の違いをこの断り書きであらかじめユーザーに断る、という雰囲気がする。再翻訳は普通に直訳調。

今回のまとめ:Exiteの勝ち

ネット翻訳の盲点(1)

インターネットには便利に翻訳してくれるサイトがある。学生はしばしば翻訳サイトを利用しているようだ。英文を日本語に翻訳した時、学生は意味の通じない翻訳だと理解できるし、不完全な翻訳でも意味を推測することができる。学生が自分の論文に英語の抄訳を作ることが必要になると、日本語の抄訳をWEB翻訳し、そのまま英文として論文に挿入する。英文がおかしいかどうかを判断することができないので、ほとんどの場合WEB翻訳の結果そのままである。その英文をネーティブチェックにかけると、ネーティブが添削できない、つまり全く意味がつかめない場合がほとんどだ。その理由は多くの場合、原文の日本語が論理的に記述されていないことに原因があると思われる。日本語ではしばしば主語と述語の関係を明示しないまま文章が成り立ってしまうが、英文ではその関係を明確に記述しようとする。従ってWEB翻訳で日本語から英語を得る場合、日本語の文章を注意深くチェックする必要がある。試しに、WEB翻訳にどのような落とし穴があるかチェックしてみる。翻訳は人類のもっとも知能的な活動なので、できるだけ数多くの事例を試すつもりである。
今日の事例。

 使用する機械翻訳サイトはGoogle, Excite, Freetranslationである。三つの選出理由は、GoogleはWeb上で広く知られている、ExciteはExcite翻訳プロなどのサービスにより翻訳に力をいれているように思われる、Freetranslation.comは海外の多言語翻訳サイトでなかなか精度が高いとされている、という理由。
 Google: http://translate.google.co.jp/#
 Excite: http://www.excite.co.jp/world/
 Freetranslation: http://www.freetranslation.com/

日英翻訳例文1(ビジネス系):私は先輩の話を聞き、御社の仕事に興味をもちました。
以下に3サイトの翻訳を紹介する。
Google:I listen to seniors, lasted an interest in your work.
翻訳結果を英日翻訳:私は先輩に聞いて、あなたの仕事に興味が続いた。
寸評:訳文としては不完全に思える。最初の文章の時制は現在形、コンマ後の文章は過去形になっている。また、「続く」等の意味であるlastがなぜ訳文に使われているという点が興味深い。再翻訳は直訳調。ただし、原文を入力するそばから訳文を表示していくため、翻訳時間は非常に短い。
Excite:I heard senior’s story, and was interested in your work.
翻訳結果を英日翻訳:私は、シニアの話を聞いて、あなたの仕事に興味を持っていました。
寸評:機械翻訳にしてはそこそこ読める訳文になっている。逆再翻訳文も普通に読める文章。翻訳時間はGoogleに比べると若干長め。原文をコピーして翻訳ボタンを押せば訳文表示。
Freetranslation: I heard the conversation of a/the senior and had an/the interest in the job of your company.
翻訳結果を日英翻訳:私 会話を聞いた a/the 年長者 そして 持った an/the あなたの会社の仕事に対する興味。
寸評:訳文としては一番自然に読めるかもしれない。冠詞を両方提示しているところが興味深い。利用者の判断にゆだねる、というところか。また、「御社の仕事」をきちんと訳しているのも興味深い。反面、再翻訳では非常に対照的な結果となっている。翻訳時間は一番長め。原文をコピーして翻訳ボタンを押せば訳文表示。比較のためか、Google翻訳の結果も表示できるようになっている。
今回のまとめ:ネット翻訳の翻訳結果はバラエティに富んでいる。

ハワイ旅行(4)

帰国のフライト待ちで一日ハワイ島で待機することになった。朝ホテルのコンシエルジュに相談しようと思ったが、相談希望の人が多くて、仕方なくホテル内のHERTZで聞いてみた。「日本の運転免許で車を借りれますか?」すると全く問題ないという。その場で翌日の昼まで車を借りることにした。
契約は2日間となり空港で車を乗り捨てることと、保険も慎重に多めにお願いし、ガソリンは満タンにせずに返却するとして、およそ250ドルだった。行先はVOLCANOとした。車で片道どの程度の時間がかかるか?と質問したら、2時間という返事だった。
ハワイは右側を車が走るので日本と反対だ。交差点でレーンを間違う可能性があるので、最初は走っている車の後をドライブした。地図を見ても道は単純だからカーナビは必要ないと思った。車は日産で左ハンドル。快調に走りだした。
メータはマイル表示なので日本の感覚とは異なるが、道路わきの制限速度表示はしばしば変わる。一番早い制限速度は55MPH(時速55マイル)で、人家近くなると45MPH,35MPHとなり、25MPHという表示もたびたびだ。地元の車はこの制限速度の表示に比較的正確に従っているという印象だ。25MHPという表示の区間で、「あなたの車は23MPH」という表示を目にした。その場で車速を瞬時に測定して、運転手に速度を落とすように指示している。
VOLCANOまでは慎重に運転して約2時間だった。およそ100マイルの距離なので大分走った。ハワイ火山国立公園に入るところで、入園料10ドルを支払った。確か1週間有効という説明があった。VOLCANOには観光センターがあり、案内情報を展示していたが、お土産屋は小さく買いたい商品が見つからなかった。カルデラ周辺を回る周回道路が表示されていたのでまた車に乗った。有毒ガスの危険があるということで半分は通行止めになっていた。場所によっては硫黄の匂いがした。
11号線を車で走る気分は爽快だ。景色は雄大で右側に海、左側に山の斜面が延々と続いている。ハワイ島は広いと感じた。
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ハワイのクレータ

ハワイ旅行(3)

コナのSheratonホテルはコナ国際空港から南約20kmのKeauhouにある。何せここはアメリカだから自動車がないと動きが取れない。国際免許も持ってこなかったので、Sheratonホテルに缶詰状態だ。Sheratonホテルは一流だからおいしい軽食もあると淡い期待をしたが、それもアメリカだった。ホテルの朝食はバイキングでチップ込みで24ドルにもなる。2度食べたがその価値を感じなかった。
会議も一段落したのでホテルの外に出てみることにした。ホテルにはKeauhouリゾートトロリー時刻表がある。朝9時から夕方6時まで6回バスが約20か所を周回する。商店街、ゴルフコース、ホテルからビーチまでぐるぐる運行する。どこかの地点でトロリーを下車すると、次のトロリーが来るまで1時間半から2時間待たなければならない。だったら自分の足でジョギングした方が気楽だとカメラ片手に外に出た。ここはアメリカだし、それにハワイだから東洋人が一人とぼとぼジョギングしていても問題なかろう。
Keauhouのショッピングセンターはジョギングで20分かからなかった。ただし、登り坂ばかりなので若干きつい。帰りは楽だろう。ショッピングセンターには大きな食品スーパーとドラッグストアー他があり、広大な駐車場に取り囲まれていた。センターの駐車場からは海岸線と水平線が180度近く見渡せる。
ショッピングセンターは立派な建物が6棟ほど並んでおり綺麗だ。郵便局、銀行、レストラン、装飾品店、洋品店などウインドウを見て歩いた。気になったのは、商店に空きが多いことだ。多分5店舗以上、家主募集中だった。日本でコナへのフライトチケットを購入したいと旅行会社にお願いしたら、以前はJALが運航していたが現在は直行便がなくなった、という返事だった。ははーん、コナにホノルル経由で来ると時間が余計にかかるようになったので、ショッピングセンターもお客さんが減っているのだろう。
ショッピングセンターに入る上り坂の茂みの中に、猫のえさ場があった。猫を大切にしているのだと思ったら、別の道路傍に小さな目立たない猫の顔を描いた看板があった。ショッピングセンターでは猫に餌をあげないでください、と書いてある。センターにいる猫は皆避妊手術をしてあります、とも書いてあった。センター全体で合意の上、避妊手術をして猫に餌を与えているようだ。猫のえさ場を見かけて餌をあげてしまいそうだが、見つかると怒られそうだ。
夕方5時ころ、それまで灰色の雲がかかっていた空から雨が降り出した。風も強くなった。しばらく待ったら南国の雨は止むかと期待したが、6時を過ぎてもだんだん雨足が強まるだけだった。意を決してジョギングで帰ったが、周囲は暗く、転倒したらそれこそややこしいことになると慎重に足早にSheratonに戻った。次に来る時には国際運転免許証を持ってこよう。
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Keauhouショッピングセンターのイベント

ハワイ旅行(2)

日本を出発するときの気温は室外で5℃以下であったが、ハワイは最低気温20度、最高気温27度とネットにあった。コナの空港に到着した時日本のムッとするような暑気を予想したが、多少温かいものの快適な気温だった。
Sheratonホテルに向かうタクシー運転手が話しかけてきた。国際会議に参加することが仕事だと話したら、昨日も東洋系の二人をタクシーに乗せた、と言っていた。私がハワイで生まれたのかと問いかけると、子供のころフィリピンからハワイに来たと返事があった。お父さんは低賃金で頑張って働いていた、とも話してくれた。本人は、米国の空軍に所属し、アジア各地の米軍基地を転々とし、沖縄にも一時駐留したそうだ。ベトナムにも行ったかと聞いたが、NOであった。
米軍で30年ほど働いた後、比較的簡単に現在の運転手の職に就いたそうだ。お子さんは二人で、一人はハワイで働き、もう一人は米国本土の大学に通っているとのこと。
タクシー助手席の後ろに「このタクシーはお客様が請求すると領収書を発行します」と英語と日本語で書いてあった。そこで降りるときに「Receipt please」と言った。すると「先ほど私が手渡した黄色い紙の名刺が領収書だ」という。どうして名刺が領収書の代わりになるのだろうと思いながら、黄色の名刺を出して、そこに手書きで金額を書いてもらった。
今になって振り返ると、正式な領収書を出したくなかったのだろう。タクシー会社に売り上げの証拠を報告せざると得なくなるから、と推測する。お客の私が甘く見られた結果かも知れないが、別に構わない。
When in Rome do as the Romans do.
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Sheratonホテルの庭(ヤシの木の間に夕陽が沈む)

ハワイ旅行

ハワイに着いたのは1月4日午前だった。日本を出発したのは1月4日の夕方だったので、時刻を遡ったことになる。途中にある日付変更線の悪戯だ。ハワイ時間は日本に19時間遅れ。体感する体のリズムでは5時間先行している。そのため、日本の午前がハワイの午後、日本の午後がハワイの夜、そして日本の夜がハワイの朝に相当し、睡眠のパターンが昼の半日分ずれてしまう。
コナと呼ぶハワイの島にホノルルから到着した。空港からシェラトンホテルに行くのに、サンフランシスコなどと同じアメリカだからホテルのシャトルバスが来るだろうと思っていた。シャトルバスなら当然無料でタクシーに乗る必要がない。この私の常識はコナでは間違っていた。
目の前をレンタカー会社のシャトルバスなどが通過していくが、シェラトンに行くか?と聞くと、それはスピーディという会社だという。そのスピーディはなかなか現れない。分かったことは予め配車を予約しなければならない、ということだった。
結局スピーディにコンタクトはできたが予約しなかったのでタクシーでシェラトンまで行った。チップも含めて60ドルかかった。火山の山のすそ野と海の間の火山岩のうえに単調に走っている道路だった。シェラトンに到着するとハワイ時間で午後だったが、睡眠が不足している朝と体が訴え、一眠りした。夕方の会議登録が終わると何も食べずに一晩寝てしまった。
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コナの夕陽と波しぶき

新年のJALフライト

新年早々ハワイの学会に参加する計画を立てた。旅行会社によると正月はハワイ旅行が人気で、三が日が終わっても飛行機の切符を手に入れることが難しいという。実際11月2週に入ったらエコノミーで安い切符をネットを使って探してみても見つからず、結局旅行会社のカウンターで購入をお願いした。
やっと手に入れた航空券がJALで行きは成田発、帰りは羽田着とイレギュラー、しかもハワイの滞在を一日延長してやっと帰りの飛行機切符を入手した。価格は高めのエコノミーだったが、仕方ないとあきらめた。
JALは50年前の学生時代にあこがれた会社の一つだった。飛行機は先端技術で、その開発にも携わりたいと思ったが、学校内での成績競争が厳しくてあきらめた。現在のJALは経営再建中でその昔の栄光はどこへ、という感じだが、ジョギング中に地上からみるJALの尾翼は赤く染まっていて一目で分かる。
1月4日の夕方成田から出発するJAL便に乗った。搭乗時間が30分ほど遅れたが、その理由はパイロットの操縦席に不具合があったため、と機内でパイロットから説明があった。何でもパイロットの座る椅子が故障して座れる状況ではなかったということだが、トラブルの内容としてはお粗末な印象だ。
JAlが経営再建中という事実はエコノミーの座席に座って実感を余儀なくされた。座席の幅も狭ければ、前後の間隔もせまい。最近は航空会社間の競争が厳しいので、エコノミーでもゆったりした座席配置をしている航空会社があるが、JALの経営再建は最近の常識とは反対の方向に進んでいるようだ。つまり、これではお客様は次回JALに乗ろうとは思わないだろう。新春のハワイ旅行はJALにとってドル箱のはずなのに、来年はANAや他社にお客様が流れてしまう。
細かいことで恐縮だが、前の座席の背後についている液晶ディスプレイと座席のひじ掛けに組み込まれているコントローラのどちらも10年以上使ったと思われる設備だった。数ヶ月前に大韓航空に機上したので、大韓航空が備えていた最新型とのギャップが大きくて、がっかりした。コントローラのディスプレイは表示が欠けているし、映画を再生するまでの時間が遅い。
成田の搭乗口には整備士の名前が紹介されていた。「私が整備しましたので安心して・・」と書いてあったと思う。ネットで探すとJALの切符は他社に比較して値段が高い。それは過去のJALの栄光を反映した価格設定だからであろう。しかし実際に飛行機に乗ると、他社に比較してお粗末な装備が目につく。これで本当にJALを再建できるのだろうか。
その前に、JALで羽田まで予定通りのスケジュールで帰国できるかどうか、若干心配である。